2018-12-27

カッコつけたってしょうがないんだよ。寒空の下、イルミネーションが光り輝く中でとぼとぼとラーメン屋に向かって歩いてる時点でたかがしれているんだ。

 天気はうっすらとした曇り空。そのせいか街全体が灰色の雰囲気だ。色とりどりの賑やかな電飾との対比が虚しい。

今宵は聖夜であり、キリストの誕生日だ。もちろん無神論者の俺にはなんの関係もない。

そもそも自分の誕生日ですらどうでもいいんだ。それなのに大昔の人の誕生日なんてものに興味を抱くわけがない。サンタなんていない。いるのは内に潜むサタンだ。

 こんなことしか考えられないのなら、いっそのことソープにいって金で女を買って憂さ晴らしした方がよほど健全に思える。しかし派手に遊ぼうという気持ちも出ない。旧態依然とした趣味であるラーメンをすすりに行くだけだ。

 空虚な繁華街を抜けた場所にあるラーメン屋につく。意外と混んでいることに驚きと安心を隠せない。何だ皆暇なんだな。 

 薄汚れた食券機の豚骨醤油ラーメン(大)を押す。店員さんに食券を渡す。

 「いらっしゃいませ!ありがとうございます!」

 冬にもかかわらず小麦色の肌をした男性店員だ。腕も太いし部活をしている大学生だろうか。クリスマスなのにバイトとは、と思ったけども、特に用事のない俺の方がダメだと考えてしまう。メリークリスマス。